隣で人々が会話しているのが聞こえた。
「友達から『赤虎』がすごく面白いって聞いたから、見に来たんだ」
若い人が両親を連れて来ている人もいた。
「この映画はあなたたちの年代にも合うって言われてるよ」
「そうそう、私たちもWeChatグループで多くの人が良いって言ってるのを聞いたわ」
50代、60代の両親は、長い間映画館に行っておらず、最近の人気の映画のテーマにはあまり興味がなかった。
『赤虎』のような愛国的なテーマの映画は珍しく、確かに年配の世代が見るのに適していた。
何年ぶりかの映画館で、興奮を隠せない様子だった。
おそらく休暇のせいで、神崎家のように家族全員で映画を見に来ている人が多く、まさに国民的映画の様相を呈していた。
大婆様は小声で神崎卓礼に尋ねた。「どう?神崎創映チェーンの興行収入はどうなの?」
「まだ集計が出ていないけど、神崎創映チェーンは上映枠のほとんどを『赤虎』に割り当てたから、神崎だけで判断するのは難しいね。でも、この数日間の座席占有率がこのまま続けば、興行収入はかなり観測できるよ」と神崎卓礼は説明した。
上映時間になり、しばらくすると上映室は満席になった。
多くの人が興奮して、ネットで評判の良いこの映画が実際にどれほど素晴らしいのか見たがっていた。
大爺様は自ら戦場に出たことはなかったが、後方で作戦を指揮した経験があった。
映画の戦闘シーンを見て、思わず共感し、ずっと手を叩いて喝采を送っていた。
映画が終わると、観客全員が大満足の様子だった。
「ネットのレビューや友達のおすすめで『赤虎』が良いと聞いて、かなり期待して来たんだけど、同時に期待が大きいほど失望も大きいかもしれないという心の準備もしていたんだ。でも映画は完全に予想を超えていた。痛快だった、本当に痛快!」
「『爭雄』がまだ『赤虎』と比べようとしてるの?俺は絶対に二回目を見に来て『赤虎』の興行収入に貢献するよ」
大婆様は興奮して道乃漫の手を握り、「漫、この映画に出演して本当に良かったわ!素晴らしい出来だわ」
大婆様は感慨深げに少し濡れた目元を拭いながら、「こういう映画こそ、若い人たちにもっと見てもらうべきよ。何でも外国のものが良いと思わないで、私たちの祖国も強いのよ、祖国を誇りに思わなきゃ!素晴らしい、本当に素晴らしい映画だわ!」