第408章 あなたは本当にお母さんだ

「それはどういう意味?」斎藤昇の口調が和らいだ。他のことは全て受け入れられるが、別れだけは無理だった。

斎藤昇は二十数年生きてきて、人生の四分の一を歩んできた。やっと好きな女の子に出会い、それも本当に夢中になって、お嬢ちゃんが早く大人になって、すぐに嫁に迎えて、大切にしたいと思っていた。

もしこの時点で斎藤昇が橋本奈奈と別れなければならないとしたら、軍人である彼が理性を失った時、どんな恐ろしいことをするか自分でも確信が持てなかった。

この世で、どんなに冷静な人でも、特定の刺激を受ければ、誰でも狂ってしまうものだ!

斎藤昇が永遠に避けられない特定の刺激、それは橋本奈奈だった!

「あなたは私に岡本茜に対して以前と同じように接してほしいの?」

「もしそうなら、絶対に別れるわ」斎藤お兄さんが以前岡本茜にどんな態度をとっていたのか、彼女にはわからなかったが、その態度のせいで、岡本茜は自分が斎藤お兄さんと結婚するのは間違いないと思っていた。