097 真犯人現る、場面制御不能(3更)

鐘见寧は藤田瑞贵を見つめ、「盗んだ金額が少なければ示談の可能性もありますが、あなたの場合は金額が大きすぎて、立件基準に達しています。たとえ鐘見家が許そうとしても、警察は立件して起訴できます」と言った。

彼女は警察官の方を向いて、「警察官、私の言う通りですよね?」と尋ねた。

警察官は頷いた。

「お兄さん、彼女の戯言を信じないで」

鐘見月は藤田瑞贵が死人のような顔色をしているのを見て、急いで彼の腕を引っ張り、「彼らはただ脅かしているだけよ!」と言った。

「離せ!」藤田瑞贵は手を振り払い、鐘見月は地面に倒れた。彼は警察官を見て言った。「私は関係ありません。私は換金役だけです。盗んだのは彼女です!」

彼が指さすと、鐘見月は怒って立ち上がり、彼に向かって突進した!

「でたらめを!」

鐘見月は彼を殴り、彼の口を塞ごうとした。

藤田瑞贵は刑務所に入りたくなかった。

このような生死を分ける瞬間、人は利己的になるものだ。

彼は結局大の男、鐘見月が突進してくるのを見て、彼女の腕を掴み、平手打ちの音とともに、彼女は頬が火傷したように感じ、その後、彼に突き飛ばされた。

「本当に私が盗んだんじゃない、全部藤田芳乃が盗み出したんだ!」

「彼女は人に見つかるのを恐れて、私に換金を頼んできた。お金を手に入れたら、三割をくれるって言ったんだ」

「藤田瑞贵!」鐘見月は地面から立ち上がり、「言いなさいよ、鐘见寧はいくら払ったの?私を陥れるために」

「お前の口を引き裂いてやろうか」

藤田瑞贵は無期懲役と聞いて、小便を漏らしそうになった。

「黙れよ、全部お前のせいだろ。鐘見家がもうすぐ破産するって言って、財産の大部分を鐘見曜に移したのに、お前には何もくれないって、偏っているって言ったのは」

「整形する金がないって言って、宝石を売りに出そうとしたのもお前だ」

「しかもあの時、お前はこれはお母さんがくれたものだって言ったじゃないか。盗品だなんて一言も言わなかった!」

「盗品だと知っていたら、どうして売りに出すのを手伝うものか!」

藤田瑞贵は自分の潔白を証明しようと必死で、知っていることを全て話した。

この発言で、宝石の窃盗に彼が関わっていたことを認めたことになる。

鐘見肇はその場で呆然とした。