192 盛山家へ、思わぬ再会(2話)

その後、樱庭司真は和楽園に引っ越してきたが、江口晗奈は忙しかった。叔母の命日が近づいていたため、仕事以外の時間のほとんどを、お寺で大婆様と過ごしていた。

法要は簡素で、その日は梁井佳音と賀川野を除く賀川家の者全員が参列した。

江口晗奈は賀川洵と再会した時、彼を強く睨みつけた。

賀川洵は眉を上げた。

自分は彼女を怒らせるようなことはしていないはずだが。

誰が彼女を怒らせたのか、随分と機嫌が悪いようだ。

「お前、晗奈を困らせたのか?」賀川様は声を潜めて尋ねた。

「あの性格で、私が彼女を困らせたら、許してくれるはずがないでしょう?」賀川洵は子供の頃、彼女をからかったことがあり、江口晗奈に追いかけられた。

「お前は叔父なんだから、彼女に優しくするんだぞ。」

「分かっています。」

老人は溜息をつき、「叔父らしくないな。」

「私は彼女よりたった三歳上なんです。どうしろと?私はもう十分大人びて振る舞っているつもりですが。」賀川洵は江口晗奈を見て、「彼女のような性格は、普通の男では手に負えないでしょう。」

賀川様はその言葉を聞いて、怒りが込み上げてきた。「お前はどうなんだ?」

「人のことを言える立場じゃないだろう。お前に能があるなら、さっさと嫁を連れてこい!礼を見習え。」

「そう言われれば、私には能がないことを認めます。」

老人は彼に腹を立てて足を踏み鳴らした。

この不肖の息子め!

場所が場所でなければ、きっと叱りつけていただろう。

法要は一時間余り続き、岸許大婆様も心の安らぎを求めるだけだった。

その後、一同は霊園に参拝に向かった。

松風が吹き渡り、冷気が骨身に染みた。

岸許大婆様は自ら一束のカラユリを墓石の前に置き、「玲伊、母さんがまた会いに来たわ……」

墓石に刻まれた娘の写真を見て、大婆様は思わず目を赤くした。

賀川大婆様は傍らで彼女の肩を叩き、「どんなことがあっても、体を大切にしないと。玲伊は孝行な子だったから、あなたがこんな風になるのを望まないはずよ。」

「分かっています。」

この期間、彼女も必死に耐えてきた。毎回自分に無理やり食事をさせていた。

そうでなければ、とっくに体を壊していただろう。