盛山文音は元々この菅野お嬢さんが綺麗だと思っただけだったが、今や彼女が自分の兄の後輩だと知り、より親しみを感じ、家に招待したものの、丁重に断られた。
家に帰ってから、兄にこの件を話した。
盛山庭川は眉間を揉みながら言った。「君が言わなければ忘れていたよ。この前彼女が来た時に挨拶もしなかったな。」
今思えば、本当に失礼だった。
「お兄ちゃん、菅野お嬢さんとは親しいの?」
「彼女はセンスがあったんだが、残念ながらインテリアデザインを選んでしまった。分野が違うし、彼女は留学したこともあって、ここ数年はあまり付き合いがない。以前は仲が良かったんだけどね。」
「家のインテリアデザインを彼女にお願いしたいんだけど、いいかな?」
「もちろん、君が良ければいいよ。」
盛山庭川は妹を甘やかしていたので、彼女の要望は当然すべて受け入れた。