445 脚も腰も良し、邪念が生まれる(2更)

約束した乗馬の日は、天気が良かった。

陽光が降り注ぎ、地面は黄金色に染まっていた。

松本雨音は自分で車を運転して行ったが、交通状況を見誤り、約束の時間より20分以上遅れてしまった。スタッフに案内され、乗馬クラブの詳細な説明を受けた。

「……寒い時期なので、現在は室内馬場のみ開放しています。2階にはプール、ジムもあります。湯川さんたちは既に馬を選んでいますので、まずは着替えにご案内します」

更衣室に行くには、室内馬場を通らなければならなかった。

松本雨音は初めてこのような場所に来たので、何もかもが珍しく感じられた。

馬場には多くの人がいて、子供たちもいた。

そのとき、遠くから馬に乗った男性が彼女の方へ近づいてきた。

数メートルの距離で、彼は手綱を引いて馬を制御し、高みから彼女を見下ろした。