445 脚も腰も良し、邪念が生まれる(2更)

約束した乗馬の日は、天気が良かった。

陽光が降り注ぎ、地面は黄金色に染まっていた。

松本雨音は自分で車を運転して行ったが、交通状況を見誤り、約束の時間より20分以上遅れてしまった。スタッフに案内され、乗馬クラブの詳細な説明を受けた。

「……寒い時期なので、現在は室内馬場のみ開放しています。2階にはプール、ジムもあります。湯川さんたちは既に馬を選んでいますので、まずは着替えにご案内します」

更衣室に行くには、室内馬場を通らなければならなかった。

松本雨音は初めてこのような場所に来たので、何もかもが珍しく感じられた。

馬場には多くの人がいて、子供たちもいた。

そのとき、遠くから馬に乗った男性が彼女の方へ近づいてきた。

数メートルの距離で、彼は手綱を引いて馬を制御し、高みから彼女を見下ろした。

気品があり冷淡な表情で、黒い乗馬服に金色のボタンが控えめに輝き、上品な贅沢さを醸し出していた。馬に乗る動作に合わせて服が体にフィットし、優雅さと張りのある姿を見せていた。

かすかに、彼の服の下の筋肉さえ感じられ、力強さに満ちていた。

視線が合うと、盛山庭川は馬から身を翻して降り、馬を引いて彼女の方へ歩いてきた。

黒い刺繍入りのハーフグリップパンツに乗馬ブーツを合わせ、優美で長い脚を際立たせていた。これは……

子供体型なんかじゃない!

この脚は、

本当に長くて、本当に綺麗だ。

一目で引き締まっていて力強いのが分かる。

そしてこの腰も……

なかなかいい!

湯川叔父は一体どこから彼をガリガリ体型だと見たのだろう。

「今来たところ?」盛山庭川は手で馬を撫でながら、さりげなく尋ねた。

「はい、少し渋滞していまして」

「早く着替えてきなさい」

松本雨音は頷き、スタッフに導かれて更衣室へ向かった。振り返ると、盛山庭川が軽々と馬に跨る姿が見えた。その仕草は特に格好良く、あの顔立ちと相まって、まさに完璧だった。

誰でも思わず何度も見てしまうはずだ。

松本雨音は内心焦りながら、歯を噛んだ:

冷静に!

男の色気に惑わされてはいけない。

この世には男はいくらでもいる、彼はただ少しイケメンで、少し背が高くて、少し体格がいいだけじゃない。