460 盛山若社長:潔白じゃない、ただ彼女が好きなだけ(4)

秋月策人は驚いて口を開けたまま、前回の集まりでトランプをしていた時、盛山庭川が突然現れて、彼を攻撃し、下手だと言ったことを思い出した。

なるほど、

全ては筋が通っていたのだ。

そして羽沢彩乃は、皆の驚きと困惑の表情、特に松本雨音の表情がついに緩んだのを見て、笑い出した。

ついに、

彼女の痛いところを突いたのだ。

「松本雨音、あなたはいつも、私と娘が恥知らずだと言うけど、あなたに何か良いところがあるの?盛山若社長に対して何の下心もないと言い切れるの?」

湯川俊夫は振り向いて、彼女を観察した。

視線は彼女に釘付けで、彼女の口から「いいえ」という言葉を聞きたかったが、わずか数秒で、彼女の身振りや表情からおおよその察しがついた。

一瞬、

まるで雷に打たれたかのようだった。

彼は深く息を吸い、自分の甥を見つめた。

盛山庭川は羽沢彩乃だけを見つめて言った。「私は独身で未婚、松本さんも独身で未婚です。たとえ私たちの間に何かあったとしても、それがどうしたというのですか?普通の恋愛交際も恥知らずだというのですか?」

湯川俊夫は頭がくらくらするのを感じた。

自分が見て育てた甥が、もし松本雨音との間に何もないのなら、はっきりとそう言うはずで、「たとえ私たちの間に何かあったとしても」などという誤解を招きやすい言い方はしないはずだ。

つまり……

この数日間、自分は一体何を見逃していたのか!

羽沢彩乃は傲慢に笑った。「普通の交際なら何も問題ないわ。でも松本雨音という女、二股をかけているのよ!」

「なぜなら……」

「彼女は秋月策人とも怪しい関係にあるわ!」

まだ呆然としていた秋月策人は、突然名指しで呼ばれ、頭が真っ白になった。

どういうこと?

私は誰?私はどこにいる?

私はただの高齢独身で、家族から結婚を急かされているだけでも十分辛いのに、ただ面白半分に来ただけなのに……

自分が話のネタになってしまった。

盛山庭川が冷たい目を向けると、秋月策人は体が凍りつき、羽沢彩乃を見て言った。「何を言い出すんだ、私と松本さんは清く正しい関係だ。どこの目であなたは私たちが怪しい関係だと見たんだ?」

「私の両目ではっきり見たわ!」

「何を?」

「あなたたち、この前の日に花屋で、引っ張り合って、イチャイチャしていたわ。」

「……」