第148章 実力を発揮できない

彼は背が高く痩せていて、指が長く細かったが、以前マスクをしていた時は、番組の中で特に目立つ選手ではなかった。

しかし前回の写真流出後、自分だと明確に認めなかったものの、外部から容姿が確認され、認定されてしまった。

そのため今では彼の一挙一動が、ファンの目には比類なく格好良く映る。

彼の些細な動きの一つ一つが、大規模な悲鳴を引き起こす。

そして画面の前のファンたちの熱狂も引き起こす。

彼は一つの試合を、自分のコンサートに変えてしまった。

司会者も人気がどこにあるかを知っていて、試合の発表の際、彼と時枝秋に言及する回数は、8対2の差があった。

カメラも彼の長い脚と指に向けられ、かなりのクローズアップが撮られた。

試合が正式に始まった。

石田亮二から歌い始める。

これは彼と時枝秋が試合のために作った曲だ。