時枝秋は再び冷たい表情で注意事項を繰り返した。
「錦、ごめんなさい。次は本当にしないわ」藤原千華は弱々しく約束した。
普段は強気な彼女が珍しく弱気になったため、時枝秋も怒る気が失せ、ただこう言った。「体は自分のものだから、自分で考えなさい」
「うんうん、錦の言う通りよ。気をつけるわ」
藤原千華はステージ上の時枝秋に魅了されたからこそ、昨夜遅くまで起きていられたのだ。
最初は携帯を借りて投票し、その後、安藤誠の不公平さに腹を立てて足踏みした。
そして木村雨音が時枝秋を圧倒したのを見て、思わず皮肉を言ってしまった。
いつの間にか、時枝秋を大切な人として追いかけるようになっていた。
しかし、自分が時枝秋のことを好きだと認めたくなかったため、看護師さえも彼女が誰を好きで、誰に投票しているのか分からなかった。