人が全員揃うと、説明会が始まった。
今日は会場が満席で、両校の生徒が全員出席していた。他の年とは違って、多くの高校三年生が復習を理由に説明会を欠席することもなかった。
文岩薫里と文岩輝明は、あのイケメンが何を話すのか楽しみにしていた。
両校が招いたエリートたちの中には、研究に専念している人が何人かいて、ビジネスで成功した人が二人、医師が一人、残りはイケメンと文岩輝明だった。
文岩輝明は、イケメンほどのルックスはないものの、他の面では確実にイケメンを圧倒できると自負していた。
学術研究やビジネスの人たちは、能力は優れているかもしれないが、容姿は...言うまでもなく、普段は人格の魅力で勝負している。
先生は文岩輝明に「あなたはトリを務めるので、まだ準備する時間がありますよ」と言った。
「先生、もう準備は出来ています」
先生は安心した表情を浮かべた。
両校の校長が恒例の挨拶を終えると、研究者とビジネスマンのエリートたちが順番に登壇した。
ビジネスエリートたちは確かに優れた能力を持っており、すぐに生徒たちを魅了し、みんなが即座にその関連分野に志願したいと思うほどだった。
しかし、研究者たちは普段から内向的なためか、平凡な発表に終わった。
「では次に、堀口景介さんに関連内容についてお話しいただきます」六田学長は手で招く仕草をした。
堀口景介は立ち上がり、六田学長の隣の席に座った。
会場の生徒たちは彼を見て、口笛と歓声を上げた。
「堀口景介!堀口景介!」と叫ぶ人もいた。
文岩薫里は眉をひそめた。「第二中学校は何をするつもり?生徒を一斉にアイドルデビューさせるの?」
その後、六田学長は誇らしげに紹介を始めた。「堀口先生は第二中学校の出身ではありませんが、15歳で定戸市大学の飛び級クラスに入学し、その後ドイツ国立医科大学に選抜され留学しました。20歳にも満たない年齢でその大学の医学修士博士号を取得し、その後独立して手術を行うようになりました。現在、堀口先生は定戸市のドイツ国立医科大学分院で医師として勤務する傍ら、定戸市大学で医学教授を務め、さらにS国の新型医療機器の投資開発にも携わっています。定戸市大学や医学部への進学を希望する皆さんは、堀口先生のアドバイスをしっかりと聞いておくといいでしょう」