第276章 気にしない方がいい

季山梨香は突然何かを思い出したかのように、制御不能に叫び出した。「だから、なぜ定戸市漢方医科大学を受験しようと思ったの?あなたの成績なら、どんな学校でも自由に選べるはずよ!」

「好きだからよ」

時枝秋は前世で、身近な大切な人たちが様々な病気や怪我で苦しむのを見てきた。そして、藤原修が彼女の腕の中で息を引き取る出来事も経験していた。

だからこそ、彼女の心にはそのような執念があった。

もう一度人生をやり直して、すべてを変えたかった。

しかし、現在持っている医術だけでは、まだ足りないと不安だった。

だから、まだまだ学ぶことが多かった。

「他の選択肢も考えてみない?より良い大学なら、将来の人生がもっと楽になるわよ」

「もう決めたの」

季山梨香は落ち着いて言った。「あなたが好きなものを見つけて、それを追い求めようとする姿勢は素晴らしいわ。自分の望む方法で生きていこうとする。あなたの能力なら、世間が言う最高の学校に行かなくても、素晴らしい人生を送れると信じているわ」