第386章 だから愛は消えていくの?

「大丈夫よ」時枝秋は簡潔に答えた。

「じゃあ、私が戻って君に付き添おうか?」

「いいから、あなたは研究に専念して」時枝秋は彼の性格を心配して、戻ってきたら藤原修に消されかねないと思った。

「つまり愛は消えていくってことだよね.jpg」石杜健は不満げに。

時枝秋は彼の相手をするのが面倒になった。

しばらくして、石杜健は何かを送ってきた:「君のために見つけた霜の花の種だよ。もう誰かに持ち帰らせている途中だ。ほら、やっぱり先輩は君のことを考えているだろう?」

これはかなり貴重なものだった。

見つけるのが難しいというわけではない。

種子類は持ち帰るのが非常に困難で、税関検査だけでもかなり厳しいのだ。

石杜健の誠意は伝わってきた。

時枝秋はお礼のスタンプを送った。

夜、時枝秋は蘭亭花序の裏庭で土壌を検査し、どれも霜の花を植えるのに適していないことがわかった。

ここのものは全て不適切で、時枝秋はどこが適しているのか思いつかなかった。

彼女は裏庭を行ったり来たりしながら、少し悩んでいた。

「周防を呼んでくれ」藤原修は側にいる園田一帆に言った。

園田一帆は一瞬驚いたが、すぐに「はい」と答えた。

彼は承諾したものの、心の中では少し不安だった。

周防治樹は土壌研究の専門家で、国立環境・土壌重点研究所の重要な代表者だ。彼が藤原グループに来ているのは、希少鉱物の開発補助の仕事のためだけだった。

彼が藤原修の命令に従うのは、藤原グループが長年研究所を支援してきたことと、藤原家と周防家の関係があってのことだ。

周防治樹を呼びつけるのは、時枝秋がここで花を植えるためだけなのか?

園田一帆は躊躇いながら電話をかけた。

周防治樹の声には少し疲れが混じっていた:「どこへ行けばいい?」

「藤原様のところです。土壌についてのアドバイスが必要かもしれません」園田一帆はそう言うしかなかった。

周防治樹は「すぐに行きます」と言った。

園田一帆は周防治樹が来たときに、自分を殴らないことを願った。

彼は藤原修の元に戻り、小声で「周防さんがすぐに来ます」と伝えた。

藤原修は何も言わず、時枝秋の方向を見つめていた。

彼女も手元の作業に集中し、時には花を見つめ、時には葉を摘んで観察していた。