彼女は自問自答した。「エリートクラスには実験農場があって、みんなそれぞれの薬草の各時期の特性を理解し、研究することができて、データも詳細だわ。でも私たちには何もない。せいぜい薬局で既製の漢方薬を買うくらいで、私たちの学習や研究には何の役にも立たない。でも、佐和子がいい副業を見つけたじゃない。誰かが彼女に漢方薬をくれるって約束してくれて、それを持ち帰って研究できるのよ。」
「そうなの?」時枝秋は手を伸ばして一握りつかんで見た。
「優しく扱ってよ。」陸田円香は大事そうにした。「これしかないんだから、壊したら研究するものがなくなっちゃう。さっきも先輩たちが私たちが使い終わったら使わせてほしいって言ってたのよ。」
時枝秋は微笑んで、今度は自分も少し持ってきて、みんなの研究に提供しようと思った。
佐山詩絵はキャンディーを噛みながら言った。「中野佐和子がくれたこれらがあるとはいえ、ないよりましというだけよ。この薬がどうやって栽培されるか知ってる?どんな環境で育つの?各成長段階はどんな感じ?どの成長段階の薬効が一番良くて強いの?」
陸田円香:「……」
彼女は言った。「でも、何もないよりはマシでしょ。」
傍らで聞いていた陸田景久が言った。「学校が言うには、私たちの専攻にも薬草実験農場を分けてくれるそうだよ。前から約束されていたことだ。」
「本当?」陸田円香はとても興奮した。
「うん。」陸田景久はうなずいた。
「じゃあ、そのうち私たちもこれらを観察して、もっと良い研究ができるわね。」陸田円香はかなり興奮していた。
彼女は小さい頃から祖父が買ってきた既製の漢方薬しか見たことがなく、地面に生えている薬草がどんな姿をしているのか見たことがなかった。
学校がみんなに実験農場を分けてくれるということなので、時枝秋も特に何も言わなかった。
佐山詩絵は尋ねた。「陸田先輩、私たちはいつ実験農場に行けるんですか?」
「この二、三日のうちだよ。」
陸田円香は時枝秋の腕を揺さぶりながら言った。「時枝秋、その時は絶対来てね。みんなでお祝いしましょう。」
「うん、その時は必ず行くよ。」時枝秋はうなずいた。
……
「大宋の栄光」の正式撮影が始まった。
田中監督は非常に興奮していた。
彼は時枝秋の馬のシーンをすぐに最初に撮影するようにスケジュールした。