第479章 私も恥を晒そう

時枝秋は気にしていなかった。彼女はもともと文岩望と時枝雪穂に対して特に良い印象を持っていなかったので、彼らの活動には関わらず、ただ時枝雪穂が重岡恒星に手を出さないかだけ警戒していた。

重岡恒星はこの方面についてあまり詳しくなかったが、面白そうだと思った。「じゃあ、どうやって弾けばいいの?」

「文岩師匠、みんなに何か賞品を出してはどうですか?」と時枝雪穂が提案した。

文岩望はすぐに笑って言った。「こうしましょう。みんなで一曲弾いて、上手く弾けた人は私の一番お気に入りのバイオリンで演奏を続けられます。まあまあ上手く弾けた人は私の良質なバイオリンを使えます。」

「では、一番下手だった人は、あなたの『普通の』バイオリンを使うことになりますね」と時枝雪穂は冗談めかして言った。