第520章 尾張家の復活を懸念する

藤原修のその眼差しを見て、園田一帆は自分が考えすぎていたことに気づいた。

会議室に戻ると、皆の表情からは、ほぼ反対の意思が読み取れた。

今投票させたら、賛成する人はほとんどいないだろう。

結局のところ、実際に出ていくお金は彼らに関わるものだからだ。

藤原修は淡々と言った。「一言言わせてもらおう」

皆は息を潜め、彼の言葉を静かに待った。

「時枝秋のプロジェクトを私は詳しく見た。価値があると思う。投票を始めよう」

一言と言ったが、確かにたった二文で、余計な言葉は一切なかった。

藤原修の言葉が落ちると、株主や幹部たちの表情が何度か変化した。

「時枝秋に賛成の方は手を挙げてください」藤原修自身が手を挙げた。

ゆっくりと、人々が続いて手を挙げ始めた。

一人が続くと、すぐに二人になった。