藤原修のその眼差しを見て、園田一帆は自分が考えすぎていたことに気づいた。
会議室に戻ると、皆の表情からは、ほぼ反対の意思が読み取れた。
今投票させたら、賛成する人はほとんどいないだろう。
結局のところ、実際に出ていくお金は彼らに関わるものだからだ。
藤原修は淡々と言った。「一言言わせてもらおう」
皆は息を潜め、彼の言葉を静かに待った。
「時枝秋のプロジェクトを私は詳しく見た。価値があると思う。投票を始めよう」
一言と言ったが、確かにたった二文で、余計な言葉は一切なかった。
藤原修の言葉が落ちると、株主や幹部たちの表情が何度か変化した。
「時枝秋に賛成の方は手を挙げてください」藤原修自身が手を挙げた。
ゆっくりと、人々が続いて手を挙げ始めた。
一人が続くと、すぐに二人になった。