第550章 少し失望

「そうよ、彼女は世界ランキング15位のスーパーモデルなのに、なぜレッドカーペットを歩けないの?」

「時枝秋のファンはすぐに顔を潰されるわよ。レッドカーペットを歩けたからって何?会場内に入れるの?彼女の席はあるの?」

話している間に、多くのセレブリティのレッドカーペットもほぼ終わりに近づいていた。

カメラは会場内に切り替わった。

外のレッドカーペットがインフルエンサーでさえお金を払えば歩ける開放的な場所だとすれば、

会場内は非常に厳格な秩序を守る必要がある場所だった。

ここはすべて座席で、各座席にはゲストの名前が記されていた。

しかも基本的に知名度によって座席が配置されており、例えば現在アメリカで最も人気のある歌手たち、ヨーロッパで最も人気のある歌手たちは、基本的に2列目か3列目に座っていた。

その他の人々は順次後ろに配置されていた。

染宮静里奈と小林凌は、すでに7列目に配置されていた。これでも染宮静里奈の活動後の結果だった。

さらに後ろには数列の座席があり、それぞれ名の知られていない歌手、プロデューサー、作曲家、そして歌手のチームの演奏者、ポストプロダクションスタッフなどが座っていた。

カメラが染宮静里奈と小林凌に向けられたとき、数秒間停止し、ファンが満足するのを確認してから、国内から来た他のブランドを身にまとった男女のアーティストに移った。

各ファンは非常に満足していた。テレビ局は確かに視聴者が何を見たいのかを理解していた。

次にカメラは会場全体を一周した後、2列目と3列目に焦点を当て、視聴者に真の国際的スターの姿を見せた。

「小林凌と染宮静里奈、すごく仲良しね」

「アレクサンダーは今夜歌うのかな?」

「時枝秋は?時枝秋は?時枝秋は?」

「ハハハ、まだ時枝秋を探している人がいるね。言っただろう、レッドカーペットは簡単だが、会場内に入るのは難しいと」

「そうだよ、今頃は入り口で入場を拒否されているかもね」

「会場内はすべて名札で座席が指定されているんだ。誰でも入れるわけじゃない」

染宮静里奈と小林凌も目立たないように会場内を見回したが、明らかに時枝秋の姿はなかった。

彼女がいれば、あの冷たく白い肌に赤い唇の顔は非常に目立つはずで、見逃すことはできないだろう。