第67章:ツンデレ

青木岑が残高を確認した時、本当に衝撃を受けた……

慎重に桁数を数えてみた。「一、十、百、千、万、二百万……千万?」

間違いない。青木岑の元々持っていた8000円の残高と合わせて、合計1000万8000円だった。

つまり、西尾聡雄の月給は1000万円ということ?

実際、1000万円は西尾聡雄にとってはそれほど大金ではない。GKグループの総資産は、控えめに見積もっても数百億円はあるはずだ。

たかが1000万円は、毎月の形式的な手続きで、経理部が社長に象徴的に支払う給与に過ぎない。

でも青木岑にとって1000万円は、天文学的な数字だった……

これからは衣食住の心配はないのかな?これって玉の輿に乗ったってことになるのかな?

ソファーに横たわり、豪邸や不動産権利証、結婚証明書、そして銀行口座の残高を見つめながら、青木岑はふと、これが全て現実とは思えなくなった。