青木岑は西尾聡雄がこんなに直接的に聞いてくるとは思わなかったので、一瞬戸惑ってしまった。
そして頬を赤らめながら答えた。「違います」
「怖くないなら、何を待っているの?寝に行こう」そう言って西尾聡雄は二階の寝室へ向かって歩き出した。
夜、西尾聡雄が不在の時、青木岑はすでにこの家の構造をおおよそ把握していた。
200平米のメゾネット式の部屋で、一階には広々としたリビング、ダイニング、トイレ、キッチン、そして書斎があった。
二階には3つの寝室とバスルームがあるようだった。
このような間取りなら、二人で住むどころか、子供が二人できても十分な広さだった。
西尾聡雄が先に階段を上るのを見て、青木岑は自分の軽率な返事を後悔した。
今となっては、付いていかないのも約束を破るようで、かといって付いていくのも、まだ心の準備ができていなかった。