第73章：遊びたいなら、お主と付き合おう（その3）

桑原勝は黙って、酒杯を上げて一口飲んだ……

「荒木社長、今回のGKとの対立で、表面上は反応を示さなかったものの、心の中では既に計画があるのでしょう」

「なかなか察しがいいな」桑原勝は飯島智を一瞥して言った。

「もし私にできることがありましたら、何なりとお申し付けください。スターキングのため、そして社長のためなら、私は命を懸けても構いません」

飯島智は甘い言葉を並べるようなタイプの女優ではなく、寡黙で分別があった。それこそが桑原勝が彼女を支援する理由だった。

綿菓子とは違って、少し名が売れただけで、方向感覚を失ってしまうような人ではなかった。

「大丈夫だ。普通に仕事を続けていればいい。向こうから誘いがあったら、値段を吊り上げろ。できれば10倍くらいな」

「それで？」飯島智は静かに尋ねた。

「それで向こうと契約して、移籍すればいい」

「社長……私はスターキングを離れません。いくらお金を積まれても行きません。私は社長についていきます」飯島智は慌てて説明した。

「焦るな、これは計画の一部だ。安心してやってくれ」

「計画の一部……」飯島智はこの時、何かを薄々理解したようだった。

桑原勝は微笑んで、それ以上は何も言わなかった……

お開きの時、飯島智はボディーガードに護衛されて帰宅した……

桑原勝は自分の黒いランボーに乗り込んだ……

「おいおい……お前、本当に僧侶になるつもりか？飯島智はあんなにいい子なのに、持ち帰って寝なかったのか？せめてムラムラ解消にでもさ。男は長期間セックスしないと性機能障害になるぞ」関口遥は笑いながら言った。

「俺様は一年やらなくても相変わらず無敵だ。この神様を、お前らみたいな凡人と一緒にするな、OK？」言い終わると、桑原勝はアクセルを踏み込み、ランボーは疾走していった……

「くそっ……あいつ、マジでかっこつけすぎだろ」関口遥と矢野川は桑原勝の最近の様子に呆れていた。

あんな大きな別荘で一人ぼっちで寝て、本当に楽しいのだろうか？

桑原勝は最近、充実した生活を送っていた。夜更かしして徹夜することもなくなった。

仕事以外は、定時に帰宅し、時々自分で料理を作ったりもしていた。

桑原勝のベッドサイドには、3つの写真立てがあり、同じ女性の写真だった……