「苦情は大歓迎です。これが院長の電話番号です」そう言って、青木岑は白衣のポケットから吉田院長の名刺を取り出し、マネージャーの手に押し込んで、颯爽と立ち去った……
「この女、本当に天狗になってるわね……」
マネージャーは芸能界で長年経験を積んできたが、こんな小物なのに奇抜な行動をし、態度も横柄な女は見たことがなかった。しかし、坂口晴人は彼女のことを気に入っているようだった。
「英子姉、私が飲みたかったんです。青木姉はいい人なので、苦情は出さないでください……」坂口晴人の言葉が終わらないうちに、すぐ近くのトイレに駆け込んで激しく嘔吐した。
英子は怒りで顔が真っ青になった……
青木岑は少し酔っ払って、歩き方もふらついていた……
勤務中の飲酒なんて、本当に無茶だ。仕事のためとはいえ、坂口晴人の治療のためとはいえ。
でも、やはり良くない影響だ。彼女はふらふらしながら坂本副院長のオフィスに向かった。
坂本副院長に休暇を申請して、家に帰って少し寝て、酔いを覚まそうと思った。
しかし、オフィスに着くと、ドアが半開きになっていた……
ノックしようとした時、中から声が聞こえてきた。「阿部部長、やめてください……」
「私と約束すれば損はさせないよ。義兄は副院長なんだ。言っておくが、あなたが正社員になれるかどうかは私の一言次第だ。義兄は今日外出中だから、私が代わりにサインできるんだ、分かる?」坂本副院長の義弟は傲慢な口調で言った。
「阿部部長、私には彼氏がいるんです。こんなことはやめてください。正社員になれなくても構いません」
青木岑はこれを聞いて、中で良くないことが起きているのを悟り、立ち去ろうとした……
しかし、まさに立ち去ろうとした時、中から悲鳴が聞こえた……
「助けて……」中からその一声だけが聞こえ、その後は静かになった。
青木岑は反射的に中に飛び込んだ。そして、極めて吐き気がする光景を目にした。
阿部部長が若い看護師さんを押さえつけ、片手で看護師さんの口を塞ぎ、もう片手で看護師さんのスカートを引っ張っていた。
「彼女から手を離しなさい」青木岑は冷たく言った。
くそっ、白昼堂々と若い女性を強姦しようとするなんて、本当に吐き気がする。