第117章:皆が失態を待っている(7)

彼は本当に、西尾聡雄が一体どんな神様なのか、局面を逆転できるのか見てみたかった……

「もうすぐさ……あの三流タレントたちが通り過ぎたら、すぐに行って相手を祝福してやれよ。ライバルがケチだと思われないようにな」関口遥が提案した。

「そうだな」桑原勝は得意げに続けた。

青木岑を追いかける件は進展がないものの、ビジネスの世界で西尾聡雄に勝てたことは、心が晴れる思いだった。

結局のところ、彼は青木岑の現在の夫なのだから……

あれ?なぜ頭の中に「現在の」という言葉が浮かんだのだろう?まるで青木岑が離婚できて、次の夫がいるかのような言い方じゃないか。

桑原勝はそこまで考えて、思わず笑みがこぼれた……

これは最近で一番気分の良い日だった……

朝九時三十分、C市のヒルトンホテルの入り口からホールまで、レッドカーペットが敷き詰められていた。