第102章:人材争奪戦(2)

「本来なら南山城で週末を一緒に過ごすと約束していたんだ。最近疲れているだろうから、リラックスした週末を過ごしてもらおうと思っていたけど、今は……」ここまで言って、西尾聡雄は言葉を切った。

そんな理由だったと知って、青木岑はほっと胸をなでおろした……

「バカね、会社の用事が大事でしょう。そんな大きな事件が起きたんだから、きちんと対処しないと。私と一緒に過ごす機会はまだまだたくさんあるわ。全部片付いてからでも遅くないわ」と青木岑は慰めた。

「うん、この忙しい時期が過ぎたら、海外旅行に行こう。まだちゃんとした新婚旅行に連れて行けていないからね」

西尾聡雄は申し訳なさそうに言った……

「誰が言ったの?この前、雲頂山に連れて行ってくれたじゃない」青木岑は軽く笑った。

「雲頂山は数に入らないよ。この忙しい時期が終わったら、モルディブに行こう」