第195章:異なる試練(5)

青木岑は包帯で包まれた小さなブタちゃんの足を上げ、恥ずかしそうに顔を覆った……

西尾聡雄は微笑んで、服を脱いだ後、彼女を慎重にお湯の入った浴槽に入れた。

ボディーソープを付けたスポンジを取り、彼女の体を丁寧に洗っていく……

それは全く欲望のないもので、完全に夫が妻を愛おしむような行為だった。

西尾聡雄は青木岑の体を洗うのに非常に忍耐強く、まるで子供の世話をするかのようだった。

むしろ青木岑の方が、心の中で微妙な変化を感じていた……

西尾聡雄の指が彼女の肌を撫でる時、心の奥底で何か小さな虫が跳ねているような感覚があった。

考えれば考えるほど顔が赤くなっていく……

「お前、何考えてるんだ?」西尾聡雄は彼女の白い肌を拭きながら冷静に尋ねた。

「別に何も……」青木岑は頑なに認めなかった。

「じゃあ、なぜ顔が赤いんだ?」

「暑すぎるからかも……蒸し暑いわ」青木岑は言い訳をした。

「そうかな……ここの温度は20度に設定してあるし、俺はむしろ寒いくらいだぞ。本当に暑いのか?」西尾聡雄は思わず笑いながら言った。

「あなたに何が分かるの?男女は体の構造が違うのよ……男性は血液循環が遅いから、寒暖の感覚があまりないの。でも私たち女は新陈代謝が早いから、男性より老化しやすいのよ……」

青木岑は専門的な知識を持ち出し、もっともらしく説明した。

西尾聡雄は思わず「プッ」と吹き出して笑ってしまった……

「何笑ってるの?」青木岑は不思議そうに西尾聡雄を見た。

「お前さ……俺が医学を学んでないと思ってるの?よく専門知識を語れるな……」

「あっ……」青木岑はようやく気づいた。なぜこんなことで相手を騙そうとしたのか。

西尾様は世界で最も有名な医学院の博士なのに……彼が分からないはずがない。

「いつも奥さんの話を否定する夫は良い夫じゃないって言うわ」

「それで?」西尾聡雄は更に尋ねた。

「だから……あなたが良い夫になろうと努力するなら、あまり細かいことは言わないで、知らないふりをすればいいの」

「はいはい、お前の勝ちだ……厚かましさで勝ったな……」

青木岑は笑いが止まらず、西尾聡雄の頭を叩こうと手を伸ばした……

しかし手を伸ばした途端、痛みで引っ込めてしまった……

「あっ……痛い」

「動くなって言ったじゃないか」

「あなた……この後用事ある?」