第207章:才能を輝かせて(7)

「ずっと調査を依頼していた東陶町のことなんだけど……」

「どうだ?何か分かったのか?」西尾聡雄は焦りを見せた。

この件だけは特に気にかかっていた。それは青木岑の願いだったから……

青木岑の今一番の願いは、おそらく実の両親を見つけることだった……

「その件は複雑でね、どう説明したらいいか」リックの口調は重々しかった。

「構わない、話してくれ」

「できることなら……もう調査は止めた方がいいと思う」

「なぜだ?」西尾聡雄は疑わしげに尋ねた。リックの能力は知っているだけに、こんな自信のない発言をするはずがない。

「この件の調査に派遣した者が……一人も戻って来ないんだ」

「死んだのか?」

「死んだかどうかは分からない。とにかく連絡が取れなくなった。我々の業界では分かるだろう、連絡が途絶えるということは、まず最悪の事態を意味する」