第209章:才能を輝かせて(9)

「私はお母さん世代の年上の人に心の傷があって……」青木岑は正直に言った。

桑原奥さんはくすくすと笑い出した……

「あなたって子は、本当に正直で、こんなことまで言えるなんて……勝があなたをそんなに好きなのも分かるわ」

桑原奥さんのそんな率直な言葉に、青木岑の頬が少し赤くなった……

桑原勝が彼女を好きなことは、世界中が知っていることだが、それを桑原母さんの口から聞くと、やはり少し変な感じがした。

「勝は……私たち桑原家の一代限りの息子で、家族全員が大切にしているの。特におじいさまはね。でも彼は強い意志を持っていて、いつも自分で頑張ってきた。あの頃、軍隊で苦労したことも、私には一言も言わなかった。息子の息子は自分で分かっているの。除隊後に会社を立ち上げて、少し荒っぽい部分もあるけど、心の中はとても真面目な子なの。この何年か、周りには女の子が多かったけど、一度も家に連れてきたことはないし、私に一言半句も話したことがなかった。でもあなたのことは……もう二回も話してきたわ」