「私はお母さん世代の年上の人に心の傷があって……」青木岑は正直に言った。
桑原奥さんはくすくすと笑い出した……
「あなたって子は、本当に正直で、こんなことまで言えるなんて……勝があなたをそんなに好きなのも分かるわ」
桑原奥さんのそんな率直な言葉に、青木岑の頬が少し赤くなった……
桑原勝が彼女を好きなことは、世界中が知っていることだが、それを桑原母さんの口から聞くと、やはり少し変な感じがした。
「勝は……私たち桑原家の一代限りの息子で、家族全員が大切にしているの。特におじいさまはね。でも彼は強い意志を持っていて、いつも自分で頑張ってきた。あの頃、軍隊で苦労したことも、私には一言も言わなかった。息子の息子は自分で分かっているの。除隊後に会社を立ち上げて、少し荒っぽい部分もあるけど、心の中はとても真面目な子なの。この何年か、周りには女の子が多かったけど、一度も家に連れてきたことはないし、私に一言半句も話したことがなかった。でもあなたのことは……もう二回も話してきたわ」
「桑原伯母……」
「最後まで聞いてね……」桑原奥さんは優しく青木岑を見つめた。
続けて言った。「勝が遅く現れたことは分かっているわ。どんなにあなたのことが好きでも、あなたは結婚していて、彼は道徳に反していて、今の人々が言う愛人になってしまう……でも恋愛というものに正しい間違いはないの。誰かを心から好きになることは間違いじゃない。それに、彼はあなたの家庭を壊すようなことは何一つしていないでしょう?」
「はい、一度もありません」青木岑は頷いて、事実を認めた。
青木岑が結婚する前、桑原勝が派手にスポーツカーやバラの花を贈っていたことは知らない……
でも青木岑が結婚していることを知ってからは、彼女に迷惑をかけないように、桑原勝はこの感情を心の奥深くに埋めていた。
夜深く人々が静まり返った時、自分で****傷を抱えることを選んで……
青木岑を少しでも邪魔することは望まなかった……
あの傲慢な皇太子にとって、これは確かに難しいことだった……
「だから勝があんな風に、この感情を抑えている姿を見ると、母親として心が痛むわ。でもあなたにはもう幸せな家庭があって、彼女はあんなことをするべきじゃなかったのよ……」
青木岑は黙って聞いていた……