第238章:青木岑のライバルが来た(8)

「やあ……みんな来たんだね。」青木岑の「みんな」という言葉は、全員を包括していた。

「今日とても綺麗よ……」中島美玖は親しげに青木岑の腕を取った。

「あなたのその姿も十分素敵よ、関口坊ちゃんの太っ腹ね」

「自分の女に金をかけるのは当然さ」関口遥は中島美玖を見つめる目が甘く溶けていた。

最近あまり一緒に遊んでいなかったが、青木岑は二人の様子を見ていた。

きっと仲良く過ごしているんだろうと推測した……

中島家は学者の家系で、中島美玖は優等生だった。

関口家は名門貴族で、関口遥は金持ちの二世だった。

この時代、お金が全てではないと言われているが、お金がないのは絶対にダメだと……

貧しい夫婦は百事憂い、よくお金がないことで夫婦喧嘩になる。

しかし、お金が多すぎることで喧嘩する夫婦は見たことがない。