第265章:あなたたち二人は同盟を組むべき(5)

「彼女のことは私に任せて。私が何とかするから。あなたが今すべきことは、仕事を引き受けることでも、コンサートの準備でも、新作映画の発表会のために奔走することでもない……ゆっくり休むことよ。見てごらん、クマがひどいわ、スモーキーメイクみたいになってるじゃない」

スモーキーメイクという言葉に、坂口晴人は思わず笑ってしまった……

それを聞くと、先日のGK映像のオープニングで、青木岑があのド派手なスモーキーメイクをしていたことを思い出したからだ。

後に桑原勝に何度か指摘され、明らかに青木岑の黒歴史となっていた。

しかし、それが黒歴史だとしても、彼女はあえてそれを持ち出して、坂口晴人を笑わせようとした……

「青木姉、ありがとう」

「もういいわ……私を姉として慕ってくれるなら、弟の面倒を見ないわけにはいかないでしょう。会社を代表して明日一日休暇を与えるわ。明日は遅めに起きて、英子姉と食事をして、海辺を散歩するとか、とにかくリラックスして……明後日から仕事に戻るけど、いい?」