「私も急に思いついたの……警察署で会議が終わったばかりで、退屈で死にそうだったの……突然焼き肉が食べたくなって……」
「夏に食べなかったのに、今は晩秋なのに、焼き肉を食べたいの?」
青木岑も冷や汗を流した……
「そうよ、食べ物に季節なんてないでしょう、面白いこと言うわね、早く上がってきて」
「わかったわ、じゃあ私は運転しないわ」
青木岑は時々車を病院に停めて、西尾聡雄の車で帰ることがあった。
中島美玖が自ら迎えに来てくれたのだから、行かないわけにはいかない。それに焼き肉は大好物だし。
「関口遥とはどう?」青木岑は最近忙しくて、中島美玖と関口遥のことについてゆっくり話せていなかった。
「彼の両親と妹が少し厄介なこと以外は、まあまあかな?」
「関口遥に妹がいるの?」青木岑は驚いた。