第344章：男らしく生きる（4）

「治療よ……彼は最近調子が悪くて、前に飲んだ薬のせいかどうかわからないって。今日の予約はもう入れてあるから、大丈夫、心配しないで。もし眠くなったら、お昼に病院で少し寝るわ。私のことはいいから、あなたも会社で疲れたら、オフィスで休んでね。昨夜は遅くまで私に付き合ってくれたし……」

「うん」西尾聡雄はうなずいた。

青木岑は夫をじっと見つめ、しばらくしてからゆっくりと尋ねた。「あなた、どうして銃を持っているの？」

西尾聡雄はゆっくりと顔を上げ、青木岑の顔を見ながら一言一句はっきりと答えた。「アメリカでは銃撃事件がよく起きる。僕が住んでいた地域は、一時期治安が悪くて、何人かの黒人に襲われたことがあった……それから、自己防衛のために拳銃を買った。アメリカでは銃の所持は合法だからね。多分習慣になっていて、帰国後もずっと安全じゃないと感じていたから、リックに頼んでもう一丁手に入れてもらったんだ」

「そう……」青木岑はうなずいた。

「どうした？怖くなった？」

「違うわ、ただあなたに何かあったらって……あの時は少し驚いただけ」

「大丈夫だよ、僕には何も起こらない」西尾聡雄は慰めた。

「あなた……アメリカでの数年間、本当に大変だったのね」

青木岑は一度も西尾聡雄にアメリカでの数年間をどう過ごしたのか尋ねたことがなかった。

彼女は考えることさえ恐ろしかった。なぜなら、西尾聡雄は勉強もせず遊び呆けるような金持ちの二世ではなく、アメリカに行ってからも毎日飲んだり食べたり遊んだりしているような人間ではないことを知っていたからだ。

彼はアジア人として、アメリカのような場所で、友人も親族もほとんどなく七年間生活していた。それはとても孤独なことだったに違いない。

西尾聡雄が先ほど黒人に襲われたと言ったのは、ただ軽く触れただけだった……

しかし青木岑には感じ取れた。それは決して楽しい思い出ではなかったはずだと。

実際、西尾聡雄がアメリカに行った当初、彼はまだ20歳そこそこの若者だった。

今ほど成熟していなかった彼が、見知らぬ土地に行けば、必ず排斥されるだろう。

ある夜、自習を終えて帰宅途中、暗い道を歩いていたところ、ピックアップトラックに乗った数人の黒人に襲われた。

西尾聡雄は実は身体能力が高く、中国にいた頃からテコンドーの達人だった。