水野日幸:「どこ?」
出雲絹代は心配そうに彼女を座らせ、後頭部の傷を見つめた。「どこかにぶつけたのかしら?あなたったら本当に不注意ね。血が出てるのに、痛みにも気づかないなんて!」
水野日幸はまだ見えていなかったが、出雲絹代に触られて、後頭部のある部分が痛むのを感じた。「たぶんね!」
出雲絹代は救急箱を持ってきて、アルコール消毒をし、薬を塗ろうとした。
「ママ、これを塗って!」水野日幸は薬瓶を彼女に渡した。
「これどこの無表示製品なの?」出雲絹代は瓶を手に取ったが、何も書かれておらず、何に使うものかわからなかった。
「友達からもらった霊薬よ。傷を治して傷跡を消すの。」水野日幸はにこにこしながら言った。
出雲絹代は薬瓶をしばらく見つめていた。瓶は上質な翡翠でできており、爽やかな薬草の香りがしたので、安心して塗ってあげた。