第450章 統一戦線

藤田清明は傍らで呆然と立ち尽くし、二人の言い争いを聞いて、やっと誰の話をしているのか理解した。断固として藤田清輝の側に立ち、藤田清義を見つめ、勇気を振り絞って生まれて初めて反抗した。「私を脅さないでください！」

「彼女のどこがいいんだ？」藤田清義の瞳から火花が散るように怒りが溢れ、胸が激しく上下していた。

このままでは、彼らに殺されてしまうと思った！

「全部いいんです」藤田清明は首を突っ張らせ、どうせ肋骨は折れているし、もう何の脅威もないと「あなたが彼女の良さを分かっていないだけです。きっと後悔することになりますよ！」

次兄が自分の味方をしてくれているから、もう何も怖くない。せいぜい、もう一度殴り合いをして、もう一本肋骨を折られるだけだ！

藤田清義は血を喉に詰まらせ、血の気が上っていくのを感じながら、ああ、いいじゃないか、本当にいい、二人とも裏切り者め。

「彼女がお母さんの診察に来たのは、あなたのためじゃない。あの夜、玄次が彼女に電話をしたからだ」藤田清輝は冷笑して嘲った。「彼女が何を求めて来たというの？あなたの冷やかしや脅しを求めて来たとでも？」

「いいぞ、お前たち二人は本当にいい。彼女に心を奪われたというわけか？」藤田清義は今や少しずつ冷静さを取り戻し、波一つない瞳で彼らを見つめた。「好きにすればいい。妹に対して申し訳が立つと思うなら」

彼らのことは放っておけるが、誰であろうと、妹のものを奪うことは絶対に許さない。一寸一厘たりとも！

藤田清輝は彼がここまで一歩引くとは思わなかった。もっと早く殴り合いをしておけばよかった。あの子が彼らを無視し始めてから反抗し始めるまで引きずらなくて済んだのに。「私はもう子供じゃない。どうすべきか分かっている」

彼は決して彼女を妹の代わりとして見たことはない。妹のものは、依然として妹のものであり、永遠に妹のものだ。

藤田清明は一歩前に出ようとしたが、藤田清義の冷たい眼差しに射抜かれ、また弱々しく一歩後退し、藤田清輝の後ろに隠れて、その腕を引っ張った。「私も子供じゃありません」

「お前たち二人が今後どうするかは構わない」藤田清義は静かな声で、話題を変え、警告するように彼らを見た。「しかし、母さんに彼女を会わせることは許さない」