水野日幸のこの決断は、指導者たちを困惑させただけでなく、番組スタッフも彼女の意図が分からなかった。
特にこちら側のプロデューサー、総監督、チーフライターなど発言権を持ち、内情を知る人々は、お互いに顔を見合わせ、止めるべきかどうか意見を求め合った。
コスモスエンタテインメントが番組に投資したのは事実だが、これはウェブ番組ではなく、テレビ局との共同制作なので、当然テレビ局の意見も考慮しなければならない。
練習生に関して、先方は非常に丁寧で、テレビ局の面子を立て、書面での契約で練習生の昇級や番組側の撮影編集に干渉しないことを保証した。
彼らの会社の練習生も、実力で這い上がらなければならず、一部の人々が密かに推測している後ろ盾や内定といったものは存在しない。
彼らの唯一の要求は、この謎の指導者を入れることと、テレビ局が彼女に最大限の自由を与えることだった。