他のクラスの人々は、笑いを堪えながら、彼女たちを見世物のように見ていた。練習生だけでなく、担当講師も更に大きな笑い者だった。
しかし、大勢の人がいて、カメラの前だったので、誰も露骨な態度は取れなかった。放送されて不適切な行動が映れば、人気に影響するからだ。
司会者も待っていた。士気を高めるのに、もう少し言葉を添えられないのか。こんなに冷たくしないでほしい。たった二言では、さすがに納得できない。
講師陣も練習生も司会者も焦る中、総監督の曽我廣波は総脚本家に嬉しそうに話しかけた。「この出雲は、バラエティ向きだね。」
彼女は寡黙だった。いや、最初から最後まで殆ど話さなかったが、否定できないのは、彼女が常に注目の的だということだ。彼女が話すたびに、全ての注目を集めることができた。