第482話 Cポジションの決定

曽我言助の目は、まるで剣となって出雲穹を射抜きそうなほど鋭かった。

彼女は一体何様のつもりだ、若菜をそんな風に言うなんて!

若菜はこんなに優秀で、実力も強いのに。彼女は刺激されたんだろう。そうだ、コスモスエンタテインメントの練習生6人が誰もCポジションを取れなかったから、心中穏やかではないんだろう。だから意図的に若菜を攻撃しているんだ!

他の講師たちは、曽我言助の考えとは違って、彼女の指摘を真剣に考えていた。谷川陽と夏目弥生の二人は、彼女の実力を本当によく知っていたので、彼女が根拠なく話したり、人を攻撃しようとしているとは思わなかった。

Aクラスの講師である藤原遥は、彼女の言葉で目が覚めたような気がした。曽我若菜というこの練習生に何か違和感を感じていたが、今やっと分かった。出雲先生の言う通り、明確な進歩が見られないのだ。

彼女が入ってきた時の実力と、今の実力が変わっていない。全く向上していない。でも、それは彼女の実力が既に十分高いからではないのか?

観客席の練習生たちは、出雲先生を見つめながら、様々な表情を浮かべていた。多くの人が彼女の言葉に内心で非難の意を示し、こんな不愉快な講師は初めてだと思った。

どんな講師がこんな風に練習生を評価するのか。そばでコスモスエンタテインメントの練習生が誰もCポジションを取れなかったから、出雲先生が八つ当たりしているという話も聞こえてきて、その説に深く同意し、出雲先生をますます軽蔑し、品性のなさを感じた。

「出雲先生のご期待に添えず申し訳ありません。これからは先生方に私の成長をお見せできるよう頑張ります」曽我若菜は素早く反応し、適切に答えた。ただし、悔しさで目が赤くなり、涙が目に溢れそうになっていた。心の中では憎しみが渦巻き、恥ずかしさと怒りが入り混じっていた。

この言葉を聞いて、最初に思い出したのは松原白羽だった。あの忌々しい老いぼれも、かつて彼女にダンスに向いていないと言ったのだ!

今度はこの忌々しい出雲という奴が、彼女に進歩の余地がないなどと言う。一体何様のつもりだ?彼女をそんな風に見下して!

会場は静まり返り、空気は不気味なほど気まずくなった。全員が出雲先生を見つめ、次に何を言うのか見守っていた。