彼は本当に役立たずだ。
こんなに長い間、妹を見つけられないなんて。
こんなに長い間、父の手がかりすら一つもない。
心の病なのか?
水野日幸の言葉が何度も耳の中で響き、彼は眉を少し伏せ、深い自責の念と後悔、悔恨が心を締め付けた。
心の病、あの日彼女が来なければ、あの日彼女が母に会わなければ、母はこんな状態にはならなかったはずだ。
油断してはいけなかった、母に彼女と会わせるべきではなかった。
彼は分かっていた、次男と三男が彼女と連絡を取っていることを知った時から、彼女に会った時から分かっていた、彼女の出現は必ず家族に問題を引き起こすと。
しかし、彼が予想もしなかったのは、彼女によって最初に傷つけられたのが母だったということだ。彼はあれほど慎重に、母が彼女に会わないように気を付けていたのに。