外は寒風が吹き荒れ、小雨は雪混じりの雨に変わっていた。外に出た時、水野日幸は寒さに思わず身震いしたが、道端の男性をすぐに見つけた。
街灯は少し暗く、車椅子に座っている男性は、どれくらい待っていたのかわからなかった。斜めに傘の下に吹き込む雨は、雪と混ざり合って彼の顔や体に降り注ぎ、髪を濡らしていた。
水野日幸はしばらくの間、その場に立ち尽くしてしまい、まるで呆けたように、傘も持たずにホテルの入り口で、ぼんやりと彼を見つめていた。心臓は激しく鼓動し、切なさも感じていた。
長谷川深は、少女が薄い寝間着姿で、サンダルを履いた細い足首と白い素足を露出しているのを見て、心が急に締め付けられ、彼女に言った:「そこで動かないで。」
水野日幸は彼の胸に飛び込んで、しっかりと抱きしめようとしたところだったが、その言葉を聞いて、本当にその場で立ち止まってしまった。
向かい側で、車椅子の男性が突然立ち上がり、葛生から傘を受け取り、彼女に微笑みかけた。
彼の歩みは遅く、まるで歩き始めたばかりの子供のようだったが、一歩一歩が異常なほど確かで、彼女に向かって歩いてきた。
水野日幸は心が急に熱くなり、涙がぱっと流れ出した。もはや他のことは気にせず、彼に向かって駆け寄り、そのまま彼の胸に飛び込んだ。
長谷川深は彼女の衝撃で少しよろめいたが、大きな手で彼女の腰をしっかりと掴んだ。少女が胸の中で小さく啜り泣く声が聞こえ、まるで子猫のような小さな声に、彼の心は柔らかくなり、羽で撫でられたような感覚になった。顎で彼女の頭を優しく撫で、少しかすれた声で言った:「どうしたの?嬉しくないの?」
水野日幸は何も言わず、一時的に何を言えばいいのかわからなくなり、ただ彼をしっかりと抱きしめ、彼の胸の中で力強くうなずいた。もちろん嬉しかった、嬉しすぎて気が狂いそうだった。
「外は寒いから、あなたの部屋に行く?それとも車の中に?」長谷川深は再び少女の頭を撫で、すでに彼女を抱き上げ、小さな彼女を腕の中に包み込んでいた。大きなロングコートが彼女の小さな体を覆い、降り注ぐ風雨からも守っていた。
「車の中に。」水野日幸は彼の首に腕を回し、顔を上げて彼を見つめた。まるで瞬きをすれば彼が消えてしまうかのように、じっと見つめながら、小さな声でつぶやいた:「寒い。」