第677章 致命の一撃

パトカーはすぐに去っていった。

長谷川深は少女の手を取り、少し顔を向けて彼女に尋ねた。「これからどうするつもり?」

水野日幸は少し考えてから、首を傾げて彼に笑いかけた。「曽我時助を保釈しましょう!」

曽我時助は今や狂人同然だ。狂人を釈放すれば、曽我若菜はきっと恐怖で震え上がるだろう。

空にはまだ雪が舞っていて、すでに厚く積もっていた。今年の冬は特に寒く、雪も例年以上に多かった。

警察署の前で、キャンピングカーの中の水野日幸は長谷川深の肩にもたれかかり、曽我若菜が出てくるのを見て、運転席の葛生に目をやった。「葛生、行って彼を保釈してきて。」

曽我若菜は毒々しい目つきで周りを見回し、キャンピングカーで一瞬立ち止まった後、道端へ真っすぐ歩いていき、手を挙げてタクシーを拾って乗り込んで去っていった。