第185章 最も美しい手話の告白(7)

鈴木夏美はここまで話すと、一瞬言葉を詰まらせ、そして鈴木和香を見つめながら尋ねた。「和香、来栖季雄の好きな人が誰か知ってる?」

鈴木和香は首を振った。

「まあいいわ」鈴木夏美は鈴木和香に微笑みかけ、もう話したくないという様子で言った。「みんな私たちを待ってゲームをしているわ。また今度時間があったら話しましょう」

そう言うと、鈴木夏美は個室のドアを閉めた。

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林夏音はこの日、ずっと気が気ではなかった。昨日、怒りのあまり鈴木和香が撮影で使うブランコの紐を切ったのに、彼女は何の怪我もせず、逆に来栖季雄が怒って監督に事件の真相を究明するよう要求した。

当時、スタッフの何人かは彼女がブランコの所に行ったことを知っていた。自分の犯行が発覚しないよう、スタッフたちに口止め料を払い、さらに我孫子プロデューサーと何晩か関係を持つことを約束して、やっと我孫子プロデューサーが監督に頼んで事件を揉み消してくれることになった。