第434章 彼の静かな寄り添い(20)

鈴木和香はその場に暫く立ち止まってから、後を追った。

二人は前後に歩き、遠すぎず近すぎない距離を保っていた。

道中、二人とも黙ったままで、誰も進んで話しかけることはなかった。

コンビニの入り口に着くと、来栖季雄は足を止めた。中には入らず、ガラス窓越しに、鈴木和香が日用品コーナーで生理用品を数パック手に取るのを見ていた。

なるほど、生理が来たのか。だから急いでいたんだ……

来栖季雄は鈴木和香がレジに向かうのを待ってから、店内に入り、財布を取り出して、レジ係が商品をスキャンし終わるのを待ち、百円札を一枚差し出した。

「私、小銭持ってますから……」鈴木和香は財布から十円札を数枚取り出し、レジ係に渡そうとしたが、来栖季雄はすでにお釣りを受け取り、生理用品の入った買い物袋を持ってコンビニを出ていた。