そしてあのチャリティーパーティーには、赤嶺絹代も参加するはずだった……
鈴木和香は携帯を取り出し、時間を確認した。明日の夜のことだ。
彼女はかつて、赤嶺絹代が自分にしたことを、一つ一つ返してやると言ったのだ!
こんな衝動的に椎名家を訪ねて、しかも一人きりで。大事になれば、証拠もなく、自分の言葉を誰も信じてくれない。最悪の場合、叔父さんと叔母さんが呼ばれて、両家の親密な関係のせいで、彼女の分別のなさを責められることになるだろう。
あんな策略家の女を相手にするには、正面からぶつかるわけにはいかない……
やるなら、一撃で相手を慌てさせるような方法を考えなければ!
鈴木和香はそこまで考えると、ゆっくりとエンジンを切り、車の中に座ったまま必死に考え込んだ。しばらくして、突然閃いた。5ヶ月前、病院から抜け出して来栖季雄を探しに行ったとき、どうしても見つからなかった彼の代わりに助手に会った。助手は多くを語り、来栖季雄が持っているボイスレコーダーの中には、赤嶺絹代が彼女の子供を殺した証拠が録音されているということも。本来なら七夕の夜に、来栖季雄は彼女に聞かせるつもりだったのに、残念ながら……
鈴木和香は急いで車のドアを開け、慌てて降りると、家の中へ引き返した。
来栖季雄がアメリカから彼女と一緒に帰国した時、スーツケース一つだけを持っていて、それを桜花苑に運び込んでから場所を変えていない。今日は出張で、たとえ荷物を整理したとしても、仕事に関係のないボイスレコーダーは持って行かないはず……だからそのボイスレコーダーは、このヴィラのどこかにあるはず……彼女はそれを借りるために盗み出さなければならない!
鈴木和香は一気に階段を駆け上がり、まず寝室に飛び込んで、引き出しや棚を探し始めた。
元々整然としていた寝室は、彼女によってあっという間に散らかされ、物が至る所に散乱し、足の踏み場もないほどになった。
鈴木和香は寝室の棚を探し終えると、他の部屋へ移動し、一つ一つ丹念に探していった。最後に来栖季雄の書斎に入った。
机の上には書類が山積みになっていた。鈴木和香は乱暴にそれらを持ち上げて一瞥し、机の上に投げ返した。いくつかの書類がバラバラと床に落ち、綴じられていない紙が床一面に散らばった。