第699章 説明（月票加更7）

来栖季雄は低く笑い声を漏らし、電話の画面に映る少し取り乱した女性を見つめながら、ゆっくりとした口調で言った。「うん、僕の大好きなバカな子犬だよ」

僕の大好きなバカな子犬……鈴木和香は、まるで羽が心の最も敏感な部分をゆっくりと撫でているかのような感覚に襲われ、全身がふわふわとして、視線さえも定まらず、さまよい続けていた。

確かにこの言葉は、彼女のことを子犬と罵っているのだ。いや、違う。子犬だけならまだしも、バカな子犬と……でも、なぜか甘く感じてしまう。もしかして、いわゆるドMなのだろうか？

鈴木和香は来栖季雄に対して引き続き険しい表情を見せ、怒っているふりをするべきだと思ったが、唇の端には微かな笑みが浮かんでいた。「来栖季雄、これって遠回しな告白？」

来栖季雄は再び軽く笑い、鈴木和香の質問に直接答えず、逆に質問を投げかけた。「どう思う？」

私はね、あなたが告白してくれたと思う。

鈴木和香は心の中でそう呟き、空の哺乳瓶を近くのテーブルに置いた。時計を見ると、もう深夜12時を過ぎていた。

来栖季雄の方は11時くらいだろう。午後3時に会議があるのに、昨日別れてから今まで休んでいない……

鈴木和香はまぶたを上げ、二つの携帯電話を通して、大洋の向こうにいる来栖季雄を見つめた。「まだ寝ないの？」

「うん……もう少しだけ……」長時間のフライトと一晩中の会議で、実際はかなり疲れていたが、彼女とこうして静かに通話していることで、なぜか心身ともに極限までリラックスできた。一人でベッドに横たわって目を閉じて眠るよりも、ずっと心が休まった。

「国際ビデオ通話って高いのよ。しかも私から掛けたんだから、このままじゃ携帯が止められちゃうかも」鈴木和香は小声で呟いた。

来栖季雄はだらしなくクッションに寄りかかってベッドに座り、携帯で何かを押し続けていたが、終始無言だった。

鈴木和香の方では、来栖季雄がボタンを押す「ピッピッ」という音が聞こえていた。

「何してるの？」鈴木和香は好奇心から尋ねた。「誰かにメッセージ返してるの？」

「うん」来栖季雄は少し上の空で返事をし、すぐに鈴木和香の携帯が振動し始め、ビデオ画面の上に二つのメッセージが表示された。

日本モバイルからの入金通知で、合計二件、それぞれ5桁の金額で、彼女の携帯残高は6桁になった。

鈴木和香は一瞬呆然とした。