第709章 スキャンダル(月票加更17)

来栖季雄は飛行機の中で、すでに想像していた。家に帰ったら、もし鈴木和香が起きていたら、こっそり彼女の後ろに行って抱きしめよう。もし鈴木和香がまだ眠っていたら、キスで起こして、それから少し...うーん...妄想するようなことをしよう。

来栖季雄は桜花苑に帰る途中、わざわざ花屋に寄って花束を買い、それを自分より約30分遅れて家に届けるよう頼んだ。

来栖季雄は自分の計画がうまくいっていると思った。空港から桜花苑までは約1時間の道のりだが、花を買うことも含めてたった40分しかかからなかった。

車が桜花苑の中庭に停まると、彼は車を降り、まず金色の陽光に包まれた赤い屋根と白い壁の家を見上げた。最後に視線は2階の主寝室の窓に向けられ、窓台の緑の植物の葉がガラスに張り付いているのを見て、言葉にできない安心感が心の奥まで広がった。彼はやや焦りながらスーツケースを持ち、急いで玄関に向かい、暗証番号を押して、慌てて靴を脱ぎ、スーツケースを1階のホールに適当に置くと、階段を一度に3段ずつ駆け上がった。