来栖季雄はここまで打って、突然止めた。
認めざるを得ないが、来栖季雄の後ろの省略記号の使い方は、本当に絶妙だった。
明らかに自慢しているのに、あえて言葉にせず、すべては以下の二枚の写真に委ねている。
鈴木和香はこの時、来栖季雄が林夏音を友達追加した本当の目的を理解した。まず友達でなければお互いの友達サークルを見ることができない、そして初めて強烈な反撃ができるのだ。
来栖季雄が送信ボタンを押そうとした時、何かを思い出したように、突然「誰に通知するか」をタップし、その中で林夏音を選択してから再び送信しようとした。しかし彼がボタンを押す前に、鈴木和香が突然声を上げた。「ちょっと待って」
来栖季雄は動きを止め、少し頭を下げて自分の腕の中にいる鈴木和香を見た。
鈴木和香は手を伸ばして彼の手からスマホを取り、来栖季雄が元々打っていた文章に三文字を追加した。すると文章はこうなった:「今日ACRで昼食を食べた後、主人の来栖季雄が私を連れて散歩がてら買い物に行って、それから……」
その後、鈴木和香は少し顔を上げた。「こっちの方がいいと思わない?」
「違いがあるの?」来栖季雄は口では四文字の反問をしたが、視線は「主人の来栖季雄」という五文字に釘付けになっていた。見れば見るほど心地よく感じ、最後には頭を回して鈴木和香に背を向け、口元を緩めた。
鈴木和香のメッセージが送信されてから一分も経たないうちに、林夏音から再びメッセージが届いた。「鈴木和香、暇なの?」
すぐ後に、もう一通のメッセージが届いた。「一体何が言いたいの?」
鈴木和香が返信するかどうか考えていると、スマホが来栖季雄に取られ、彼がタップタップと二回打った。すると鈴木和香は「意味は明らかでしょ、顔に泥を塗ってるんだよ」という文を見た。
なんて直接的な言い方…鈴木和香が口を開いて止める間もなく、来栖季雄はすでに送信していた。
そして来栖季雄は林夏音のアイコンをタップし、彼女の友達サークルを直接ブロックした。
「なんで彼女を削除しないの?もしかしたら彼女はすでに私をブラックリストに入れてるかも、あるいは私の友達サークルをブロックしてるかもしれないよ…」鈴木和香は尋ねた。