あのジャーナリストたちはしつこく付きまとい、後をついて回りながら質問を続けた。
椎名佳樹は相変わらず無視する態度を取り、鈴木和香の肩を抱きながら、一方では彼女が人混みに押されないように守り、もう一方では足早に歩を進めた。
中庭に入ろうとした時、鈴木和香と椎名佳樹のすぐ側にいた記者の誰かが突然前に押し出され、皆が一斉に前のめりになった。和香の後ろにいた撮影クルーの一人がその勢いで足を踏み外し、肩にかけていたカメラを支える手の力が緩み、カメラが前方に滑り落ち、まっすぐ鈴木和香の肩に向かって飛んでいった。
鈴木和香の隣に立っていた椎名佳樹は、その光景を目の端で捉えた。彼は反射的に「気をつけて」と叫び、すぐさま腕を上げて鈴木和香の肩を守るように立ちはだかった。
カメラはまず椎名佳樹の腕に当たり、その後、地面に重く落ちてレンズが砕けた。