司会者が来栖季雄に株式市場にいくら投資したかを尋ねたとき、馬場萌子はおせっかいに鈴木和香に聞いた。「和香、あなたの旦那様は株式市場にいくらお金を入れているの?」
鈴木和香は困惑した表情で首を振った。彼女は本当に来栖季雄が株式市場にいくら投資しているのか知らなかった。彼と結婚して法的な夫婦になったとはいえ、彼女は他の人と同様に、来栖季雄がとてもお金持ちだという認識にとどまっていた。具体的に来栖季雄がどれだけのお金を持っているのか、彼女は完全に知らない状態だった。
「和香、あなたって奥さんとしてあまりにもダメじゃない?旦那様がいくらお金を持っているか知らないなんて……」馬場萌子の愚痴がまだ終わらないうちに、携帯から来栖季雄の優雅で穏やかな「和香を養う」という声が聞こえてきた。すると馬場萌子の口は大きく開いたまま、まるで自分が今言ったことを忘れたかのように、急に態度を変えた。「和香、世界中であなたほど幸せな奥さんは二人といないわ!」