来栖季雄は箱からリングを取り出し、鈴木和香の左手を取って、ゆっくりとそのリングを和香の指にはめた。「和香、私を信じてくれるか?」
来栖季雄は鈴木和香に何を信じるのかを具体的に尋ねなかったが、和香には分かっていた。彼は彼女に、彼が一生の幸せを与えられると信じるかどうかを尋ねているのだと。
鈴木和香は冷たくも温かい感触が指先から指の根元まで這い上がるのを感じ、それに伴って彼女の心も激しく鼓動した。彼女はためらうことなく頷いて言った。「信じるわ、信じる」
そして少し興奮した様子で彼の手を掴み、彼を地面から引き上げ、つま先立ちして彼の唇にキスをした。
一度では足りず、もう一度キスをしたが、それでも心の底からの喜びを表現するには足りなかった。鈴木和香は再びキスを...何度も何度も来栖季雄にキスをし続け、ついに季雄は我慢できずに彼女の腰を抱き、彼女の唇を捉えてキスを深めた。
「和香、私を信じてくれるか?」
「信じるわ、信じる」
なぜなら、あなた以外に、この世界で私を愛してくれる人はもういないし、私に幸せを与えてくれる人も他にはいないから。
私たちは最も美しい青春の始まりに出会い、お互いを愛するようになった。でも、最も美しい青春の終わりになってようやく一緒になれた。
その間の13年もの歳月に、どれだけの辛さと涙があったか、それを理解できるのは私たち二人だけ。
だから、あなたを信じないで、誰を信じればいいの?
周りのカラフルなライトは、最初のように様々な色が混ざり合い、不規則に点滅していた。
夜風が次第に強くなり、草むらの花びらが四方に飛び散り、一、二枚が鈴木和香の長い髪に落ちた。
キスは長い時間続き、ようやく終わった。
二人はさらにしばらくの間、強く抱き合ってから離れた。
鈴木和香はようやく、来栖季雄がはめてくれたダイヤの指輪を見る機会を得た。
ダイヤモンドはとても大きく、彼女の指よりも太かった。
ダイヤモンドはとても美しかったが、どこか見覚えがあるような気がした。
鈴木和香は首を傾げ、しばらく眺めてから疑わしげに言った。「あれ...このダイヤモンド、永遠の心にそっくりじゃない?」