第112章 斎藤咲子のボディーガード(3更)

夜7時。

鈴木知得留は時間通りに食事の場所に到着した。

上野和明と斎藤咲子が続々と到着した。

斎藤咲子のボディーガードは根岸峰尾といい、26歳、192センチ、とても屈強で、かつて青年部空手道チャンピオンで、戦闘力は計り知れない。

斎藤咲子はとても満足していた。

根岸峰尾の顔つきが硬くて少し怖く見えても。

5人は静かに夕食を食べていた。

まるで全員口数が少ないようだった。

鈴木知得留は、なぜ自分が知り合ったこの人たちはみんなおしゃべりが苦手なのかよく分からず、ふと北村忠のおしゃべりが恋しくなった。

彼女は話題を切り出した。「和明さん、恋愛してるの?」

「ゴホッ、ゴホッ...」その言葉に、上野和明はスープを喉に詰まらせた。

鈴木知得留は彼を見つめ、おずおずと尋ねた。「自衛隊は恋愛禁止なの?」

「いや、そうじゃない」上野和明は気持ちを落ち着かせ、口元を拭った。「してない」

「もう若くないのに、どうして恋愛しないの?」

「適当な人がいない」

「自衛隊は女性が少ないから?」

上野和明は答えなかった。

「よかったら私が探してあげようか」

「いや、必要ない」上野和明は即座に断った。

「どうして?誰でも結婚して子供を持つものでしょう」鈴木知得留は言った。

「そうとは限らない」

「そうは思わない」

上野和明と斎藤咲子が同時に口を開いた。

鈴木知得留は二人を見た。

上野和明と斎藤咲子も互いを見つめ合った。

斎藤咲子は視線を逸らし、淡々と言った。「全ての人が結婚して子供を持つ必要はない」

「その意見に賛成です」上野和明が付け加えた。

鈴木知得留は笑って、「何も言わなかったことにして」

幸いこの話題のおかげで、他の人も少し話すようになり、食事会は楽しく終わった。

食事が終わると、上野和明は部隊に戻るため、軍用車で出発した。

鈴木知得留は徹夜勤務で疲れ果てていたので、道明寺華と一緒に帰った。

斎藤咲子も新しいボディーガードと共にタクシーで斎藤邸へ向かった。

邸内は明るく照らされており、まだ早い時間だったので他の人々は当然まだ起きていた。

彼女が中に入ると。

渡辺菖蒲と村上紀文がリビングのソファに座っており、彼女を待っているようだった。

斎藤咲子は無視した。