第116章 当局の情勢

鈴木山の外交関係を通じて、商業管理機構が北洋国へ視察に行くことが決まった。

もともと第二部門の活動だったが、第一部門と第三部門も参加することになった。理由はもちろん、現地で研究学習をするためだった。

日程は来週の月曜日に決まり、あと二日だった。

今日はちょうど土曜日で、鈴木知得留は自然に目が覚めるまで眠った。先週の緊張した仕事で心身ともに疲れていた。

彼女は伸びをしながらベッドから起き上がった。

リビングでは父親がソファに座って新聞を読んでおり、根岸史子が傍らで世話を焼いていた。

根岸佐伯の一件以来、根岸史子はかなり大人しくなっていた。田村厚が商業管理機構で大きな動きを見せようとしているにもかかわらず、根岸史子の方は一見おとなしくしているように見えた。彼女のことを恐れているのか、何事も以前より慎重になっているようだった。

「知得留、起きたの」根岸史子は非常に友好的な様子を見せた。

鈴木知得留は軽く微笑んだ。

鈴木山も新聞を下ろし、鈴木知得留に向かって言った。「朝食を済ませたら、書斎に来なさい。話があるんだ」

「はい」

鈴木知得留は頷いた。

実は分かっていた。父親が彼女のこの頃の行動に、あまり満足していないことを。

朝食後、鈴木知得留は鈴木山の書斎に座っていた。

鈴木山は言った。「お前は商業管理機構で多くの人の注目を集めているな」

「分かっています」

「父さんはいつも控えめにしてきた。以前、家で不愉快な出来事があってホットな話題になった以外は、ほとんどニュースにもなっていない。普段は商業管理部でも誰とも対立することはなかった。今のお前のやり方では、私たちの家が衆矢の的になりかねないことが分かっているのか?」鈴木山は率直に、厳しい口調で言った。

「お父さんの心配は分かります。でも、私にはそうする理由があるんです」鈴木知得留は言った。「この前、青木さんにお会いしました。彼は私が想像していた人とは全く違っていました。もう年老いて、いつ死んでもおかしくないような人だと思っていましたが、お会いしてみると全く違いました。精神も体も健康で、思考も鋭い。自分が本当に亡くなるまで地位を譲るつもりはないと思います」

鈴木山は眉をひそめた。「何か気づいたのか?」