第316章 私が恐れるのは、私の力が足りないこと(2更)

鈴木知得留は呆然としていた。

彼女は信じられない様子で冬木空を見つめた。

君島御門と冬木空は知り合いだった。

しかも、その口ぶりからすると、ただの知り合い以上の関係のようだった。

冬木空は鈴木知得留に一瞥を送り、そして君島御門を見て、「会わない方がいい」と言った。

君島御門は軽く笑って、気にしていないような様子を見せた。

「お気をつけて」

その一言を残し、彼は鈴木知得留の手を引いて、そのまま立ち去った。

君島御門の口元から笑みが消えた。

彼は車に戻った。

冬木空を味方につけることは、必ず成し遂げなければならない。

……

冬木空と鈴木知得留は家に帰った。

鈴木知得留は驚きを隠せない様子で冬木空を見つめていた。

冬木空は鈴木知得留の視線に少し居心地悪そうになり、「聞きたいことがあるなら、直接聞けばいい」と言った。