第415章 広橋香織、私が折れてもダメ?!(2番目)

北村雅は北村忠を連れて北村邸に戻った。

北村雅は直接北村忠を連れて二階の書斎へ向かった。

リビングでは広橋香織と道明寺華が、父子の厳かな様子を見つめていた。

書斎にて。

北村忠は北村雅の向かいに座り、姿勢を正した。

今から重要なことが始まるような気がした。

しばらくの間、そのまま沈黙が続いた。

ドアがノックされた。

北村雅の弁護士が書斎に現れた。

弁護士は慎重な様子で、既に用意した株式譲渡契約書を北村雅と北村忠にそれぞれ手渡した。

「問題がなければ、署名をお願いします。署名と同時に効力が発生し、北村雅様の北村系の株式は全て北村忠様に移譲され、つまり、これからは北村系の筆頭株主は北村忠様となります。」

北村雅は軽く頷いた。

彼は脇に置いてある金のペンを取り、颯爽と署名し、捺印した。